言葉で埋めきれない溝

 ロルフィングを受けてから3日が経ちました。

 感覚的に明確に変わったことが1つあります。「顎を引く」ということがどういうことなのか、少しだけわかりました。
 顎を引くと、お腹に効く感じがします。お腹の下の方、いわゆる丹田に重心が乗った感覚です。顎を引くことで腰も入るのです。

 姿勢を整える時に、顎を引けとよく言われました。私も言っていました。
 けれど、今まで自分が知っていた「顎を引け」と今の感覚はまったく違います。
 恐らく、どれだけ言葉を尽くしても私はこの感覚を伝えることはできないと思います。

 それは語彙や表現力の問題というよりも、発する側と受け取る側の体験・体感の有無の問題です。
 感覚の話とは似ているけれど、またちょっと違います。感覚は「同じものを見ても違う感想を懐く」という違いで、体感は「それを感じたことがあるかないか」の違いです。
 
 例えば、私達はいつ災害が起こって死ぬかどうかもわかりません。しかし、この事実にどれだけ臨場感を持てるでしょうか?
 そうは言っても、なんだかんだ生きているんじゃないかと思う心がどこかにある人もいるでしょう。けれど、東日本大震災を経験した方はこのことを確かな臨場感を持って感じると思います。

 このように、体験の有無というのは言葉の意味や理解に重大な違いを生んでしまいます。そこには言葉では埋めきれない溝があります。
 だから、様々な体験をしろと言われるのだと思います。

 武道の達人が「立つのは難しい」ということの本質を素人は理解できない。
 それを求め続けて、立つコツがわかった時に初めて、なるほどと共感できるのでしょう。

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