実践 武術療法―身体を識り、身体を治す!

「身体を扱いたいなら歴史を学んだ方が良い」

 療法によって色々な方法・観点があり、流行り廃りもある。長い歴史の中での変遷を見ていくことで、現在大切にされているもの、欠けているものも見えてくる。そう言われて大型書店を探していたら、本書を見つけて購入しました。

 武術療法の歴史はもちろん、幾つかの流派に関する記事が書かれています。元が『月刊秘伝』という雑誌を編集したものとあって、1つ1つはコンパクトにまとめられていて非常に読みやすく読み物としても面白いです。

 様々な療法がある中で、共通するものもあれば独自の手法もある。身体の中心線の大切さ、その中でも屋台骨たる腰と背骨の重要さはもはや当然のことのように言われています。

 どれも感覚の鋭さ抜きには達することはできず、ほんの僅かな違いを感じ取る磨かれた五感が無ければ治療に当たることは難しいと感じさせる。

 本書のところどころで出てくる「殺活自在」という言葉。

 活殺自在ではないところが肝。

 活かせるから殺せるんじゃなくて、殺せるから活かせる。

 例えば、何らかの事故に遭遇することなく健康に過ごしていれば、ある日突然骨が外れるなんてことはまずありません。戦いの中で相手の骨をより効率的に外す方法を突き詰めた結果、それは人体を知りつくしことにもなり治すこともできるようになったのです。

 だから壊す術を学ばずに治す術だけを学ぼうとすることは基礎を学ばずに小手先だけの技術を学ぶことになってしまうのかもしれません。

「今は武術のみを習いたいというのならば、無理に骨法は教えませんが、療術だけを学びたいというのはお断りしてます」

46・47ページ

 本書の中で石黒流骨法療術の田村弘二宗家がこう仰っていました。

 本来の武術にはそれを行うことで、身体が健康になるものだそうです。怪我をしやすい、危険だと禁止されますが、怪我をするほどやるのは武術ではないという方もいます。殺し合いは現在の時代にそぐわなくなっています。けれど、その壊す術の中にこそ身体を活かす知恵がたくさん詰まっています。

 

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